【2019年3月キリマンジャロ登山スタディツアー】参加者による事前講義録!⑨ ~登山の基礎知識!編~

【2019年3月キリマンジャロ登山スタディツアー】参加者による事前講義録!⑨ ~登山の基礎知識! 集団登山編~

もりと
ジャンボ~~!!スタディツアーリーダにして冒険家の金原です!事前準備はとっても大事!体力・知識・仲間意識があってこそアフリカの高みへ辿り着けるのです!今回の講義録は「集団登山」についてです!

集団登山について

一人は皆のために、皆は一人のために

 個人と違い、集団での登山となると、各々の持っている知識や経験、体力等に大きな差があるのが現状である。このような時、「分担する仕事や負担力は、必ずしも平等ではない」ことを留意しておく必要がある。

 能力の高い者は進んで仕事をするのは言うまでもないが、常に能力の劣る者をリードするよう心掛けることも大切である。また、リードされる側も仕事を任せきりにしたり、漫然とリードされるままになるのではなく、その活動を通じて仕事の流れやその結果を、経験に基づく知識として蓄積してゆく努力をしなければならない。

・登山中に起きうるリスク

人的要因 疲労等による転倒、人為的な落石、力量に合わない計画、不十分な装備、etc…
外的要因 天候、地形、高度、自然災害、etc…

登山中のリスクを大別すると、人的要因・外的要因の2つである。そのため、まず前提として安全管理の重要性や意思決定の手順、事前知識を、メンバー全員が登山前に把握しておくことが重要である。

以下、登山を実施するまでの各段階ごとに、よりよい集団登山のための留意点を述べる

1. 事前計画

・計画

a)山行計画(山域、登山形式、活動形式)は分相応であること
b)計画は全員に周知徹底しておく
c)役割分担を決め、全員が計画の初期段階から参加する

・トレーニング

a)リーダーが各個人の体調把握をし易いよう計画を立て、集団トレーニングを実施
b)各個人が自主的に体調管理に努めること。不調の場合はリーダーに早めに伝える

・出発に際して

a)登山計画書は全員が持つこと。内容については担当分だけでなく全員が熟知する
b)各自の健康状態をリーダーに報告する
c)役割分担、装備、食糧、その他について再点検を行う
d)分担する荷物は各自の能力・役割を考慮し分配する

山行計画は分相応であること

全員必ず登山計画書を持ち、スケジュールも熟知しておく

計画を立てる段階からメンバー全員が関わる

メンバーの能力に合わせて役割分担を決める

 

2. 行動にあたって

 各自の知識・経験に加えて体力も考慮することが大切である。体力のある者だけが先行的に頑張ってしまっても、体力の劣る者が行動不能になれば、集団としての登山は不可能になってしまう。従って、体力の優れた者は劣ったメンバーをフォローするような配慮が必要になる。また、体力の劣る者も自分の能力内で最大限頑張るよう努力するよう心掛ける。

・歩行(行動中)

 各々が勝手なペースで行動すると、道迷いや死亡事故のリスクが高まる。こうした事例は、集団行動の意識の低さ、互いの体力・技術を把握していない等に起因することが多い。

 オーダー(並び順)は、先頭が登山経験豊富な者、最後尾はリーダーとする。メンバー全員にとって最も心地よいペースを保ち、かつ、ストレスの少ない並び順になるよう配慮する。

a) 荷物量、体調、天候、地形等を考慮し、歩行速度・行動時間等を配慮する
b) 体力の劣るメンバーを標準とする
c) 体調は常に自分で管理し、不調の兆しがあったら早めにリーダーに報告する
d)リーダーは常に全員の体調に注意する
e)途中で荷物の再分配をする場合でも、特定の個人に負担が掛かり過ぎないように
f)リーダーの指示に従い、勝手な行動をとらない
g)各自が安全への配慮をすること

・休憩中

a) 個人的な用事は休憩に入った直後に済ませるよう心掛ける
b) 個人の荷物は各自で責任を持って管理する
c) 各自が安全への配慮を怠らないこと

・幕営地・山小屋

a) 仕事の流れを考え、特別な指示が無くても各自が積極的に動く
b) リーダーはメンバの仕事を見て、各個人に動いてもらうような配慮をし、リードする
c) 騒がしくならないようにする。必要以上な大声は出さない
d)装備は各自が責任をもって管理する。また、分担に関わりなく気付いた者も管理に心掛ける
e)就寝時間については、翌日の行動に備え十分な睡眠をとるよう心掛ける
  なかなか寝付けなくても、横になって安静にしていれば疲労は回復できるものである

計画は体力の一番劣る者に合わせる

各々が安全・装備等に配慮する

いかなる場合も他力本願にならず、積極的に行動するよう心掛ける

 

3. 日頃から仲間意識を高めるチーム形成を

 チームの士気を下げたくないがために、体調が悪くても気を遣って言わない、言えない等の雰囲気があると、メンバーの不調、全体のペース・リズムが崩れる原因となる。
 早い段階でリーダーに体調を伝えられるような雰囲気を作ることが大切!また、過酷な環境下で長期間過ごすため、些細な事がストレスを招く原因となり、次第に疲労が溜まってゆく。楽しく安全な登山のためにも、日頃からチームの信頼関係を築いておくことが重要となる。

4. まとめ

 信頼関係、雰囲気作りが一番大切で、これさえしっかりしていれば(事前準備はもちろん必要ですが)、問題が起きた際もすぐ対処できるものだと思いました。しっかり信頼関係築いていきましょう!!

記事作成:参加メンバー 黒木 大輔 / 写真・表、修正:リーダー 金原 守人

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