モンゴルのゲルについて!
みなさん! ゲルって聞いたことありますか?
言葉を聞いてはすぐにわからない人もいるかもしれませんが、写真を見せればあー!とわかる人がたくさんいるのではないでしょうか。ゲルはモンゴル語でゲルと呼ばれる、家畜とともに草原を移動して生活するモンゴルの遊牧民が住む移動式の住居のことを言います。モンゴルは国土のほとんどが高原の大地で古くから牧畜(遊牧)中心の生活文化が発達しました。現在でも、大草原の上、羊、ヤギ、馬、牛、ラクダといった家畜の放牧や遊牧が行われていて、季節の変わりと一緒に遊牧に適した場所を探して、家畜とともに移動して暮らしています。そのとき、一番の友がゲルです。ゲルはモンゴル語ではそのまま、家という意味を表します。この白いゲルのこともゲルといい、自宅の家のこともゲルと言いますね。お家はものを包んでいることから、ものの外側を包むケースやカバーのこともゲルと言います。今回はゲルについて、ゲルは何で作られ、どうやって組み立てられているのか、そしてモンゴルの遊牧民たちはどうやってゲルの中で生活しているのか簡単に紹介しようと思います!
ゲルは何で、どうやって作るの?
ゲルは解体できるからこそ、移動に便利なのです! 移動先では、ゲルを一から組み立てます。 ゲルは2−3人が作業して、1時間半~2時間ほどでできあがります。 解体する時は1時間ほどで終わります。 そんなゲルを作る材料、部材は木とフェルトや布です! ゲルはみなさんが知っているように丸い形をしていて、内部は直径4−6メートルの空間です。住居のほかに、納戸や倉庫に利用するゲルは直径5メートルもあります。 ゲルを解体すると、16もの部品からなっています。それぞれにちゃんと名前も付いているんですよ。私も全部は言えませんが、言えるようにならないとですね…
では、さっそくゲルの組み立て方を見ていきましょう。 (これは既に書かれていた説明を持ってきたものです。)
ゲルは次のように組み立てていきます。
- 平らな地面に、床となる部材を敷きます。夏は地面にそのままフェルトや布を敷き床としますが、寒い冬は家畜のふんをまき、その上に板(パネル)とじゅうたんを敷きます。
- 折りたためる格子状の壁の骨組みをつなげて、円形の壁をつくっていきます。一般的には、南か南東の方角に扉を取り付け、馬の尻毛・タテガミでつくられたロープで壁に固定します。
- 1人がゲルの中央に2本の支柱を立てて、「トーノ」と呼ばれる丸い天窓の枠を支えます。他のもう1人が外側から垂木(たるき・屋根部分の骨組みになる木)を、まず4方向から天窓の枠の穴に差し込んで壁に渡し、ヒモで壁にしばって固定します。
- 同じように数本の垂木を天窓の枠と壁に次々と放射状に渡していき、固定します。これで天井部分(屋根部分)の骨組みが完成です。
- 次に、天井用の布を垂木にかぶせてヒモで結び、壁には壁用のフェルト(動物の毛を使った不織布)を巻いていきます。
- 屋根用のフェルトを屋根にのせます。
- ゲル全体に厚手の布をかぶせ、さらにその上に防水用の布をかぶせます。
- ロープで外壁を上中下の3段に分けてしめ、外れないようにします。
- 天窓の開閉に使う「ウルフ」と呼ばれる布を、天窓の枠の半分にかぶせて完成です。
ゲルの中の生活はどうなんだろう!
どうでしょう? 組み立てるのは難しそうですか? そこでですが、上の説明から気づいたことがあるでしょうか。ゲルは季節が変わっても暮らしやすいよう工夫ができるのです。モンゴルの遊牧民は一年中を通してゲルの中で住んでいます。モンゴルには四季があり、高原の気候は厳しいです!モンゴルの春は特に不安定で急に大雨やあられ、雪が降ってくることもあり、砂嵐もやってきます。冬はとても寒いです!吹雪が吹き、-40度程度までいきます。そんな時、遊牧民が一番大変ですね。一番大変なのは家畜の世話でしょう。 冬の寒さが厳しい時は、ゲルのフェルトを二重三重張りにしたり、内部をオオカミなどの毛皮を張り巡らしたりして防寒します。 逆に夏の日中暑いときはフェルトの床部分をめくり、簡単に風通しをよくすることができます。
さて、次、ゲルの中はどうなっているんだろう?
住居用のゲルはドアがある正面を南向きにして立てられています。家の天井にある「トーノ」と呼ばれる円形の天窓には「ウルフ」という布がかけられ、朝起きるとこの「ウルフ」を開けて日光を入れます。南を向いているので、日の動きによって、時刻を知ることができます。
入口を入って正面の中央がもっとも重要な神聖な場所。そのスペースには、祭壇が設けられています。モンゴル人の大部分はモンゴル仏教の信者なので、祭壇には仏画や仏像が置れています。それらは大事な宝を入れるアブダルという入れ物の上に置かれてあります。その他、家族の写真などが飾られています。その入口扉から入って右(東側)が女性、左(西側)が男性の座る場所と決まっています。子どもは女性側です。訪れたお客は入口扉から入って左に座ると決まっています。中央にはストーブを兼ねた炉が置れており、暖をとり、料理をするのに使います。炉は東側を正面にするように置かれていて、女性の側から扱いやすいようになっています。写真には描かれていませんが、台所も東側にあります。 お手洗いは?お手洗いは外です!水道などもありません!そのため、ゲルは川や池など水場の近くに建てられ、遊牧民は自然水を使って生活しているのです。 その上、電気もないのです!信じられますか?
しかし、現代はゲルの外に発電のための太陽光パネルと蓄電池、衛星放送を受信するためのパラボラアンテナなどが設置され、遊牧民たちは、大草原の上でもテレビや携帯電話が利用できるようになりました。エネルギーも太陽光をつかうことで、また自然との暮らしになりますね。
以上で簡単なゲルについての説明は終わりますが、どうでしたか? 実際にモンゴルへ行ってゲルに住み、遊牧民の生活を体験してみたいですね。ゲルを一からたててもみたいですね!