じゃんぼ~~!!
キリマンジャロ登山スタディーツアーリーダーの金原です!
大学卒業後(今は研究生)、冒険家を目指してます!
一昨年自転車で日本一周し、去年は徒歩で日本縦断(鹿児島~青森)してました!
第一回目のキリマンジャロスタディーツアーにも参加しました。
趣味は冒険旅行で、海や山の秘境をどこまでも追い求めるオールラウンダー&サバイバーです!
地質・地形、植物などを観察するのが好きです。
他にも多種多様な趣味をもっているので、
さりげない会話の最中に思いもよらぬマシンガントークが始まるかも・・・?(笑)
これから3月に出発するキリマンジャロをご紹介いたします!
キリマンジャロってどんな山?
キリマンジャロは赤道直下にあるタンザニアとケニアとの国境にある古い火山で、山脈に属さない独立峰としては世界一の高さを誇ります!さらにさらに、七大陸最高峰の一座でもあるのです!頂上(5,895m)はスワヒリ語で「自由」を意味する「ウフル・ピーク」と呼ばれています。
火山活動の始まりは約100万年前だそうで、最後の噴火は15万~20万年前と推測されています。山頂には直径2km以上の巨大な火口があります。これまで噴火の記録はないですが、現在でも水蒸気などが吹き上がる噴気活動が続いています。
・キリマンジャロの氷河
山頂は分厚い氷河に覆われています。かつては標高3,500m付近にまで氷河が存在しましたが、19世紀以降より大幅に減少しており、現在この地域での氷雪はほとんど見られなくなりました。
キリマンジャロの気候帯
キリマンジャロは標高によって気候や植生が大きく変化します。下から順にサバンナ、熱帯山地林帯(ジャングル)、雲霧帯、高山帯、寒冷荒地と続きます。そして頂上付近は氷雪帯となり、氷河が出現するようになります。
キリマンジャロの気候帯と植物
1. ジャングル(標高1,800-2,800m)
とても蒸し暑く、鬱蒼とした林に多くの樹木が繁茂しています。幹や枝などはコケ、シダ、ラン、ツル植物などに覆い尽くされています。
2. 雲霧帯(標高2,800-3,100m)
ジャングルにみられた背の高い樹木は、次第に背の低い林へ変わっていきます。常に霧が立ち込めているため、幹や枝などの大部分はコケや地衣類などに覆われています。標高3,100m付近で森林限界となり、次第に高山帯へと変わっていきます。
3. 高山帯(標高3,100-4,000m)
乾燥と霧による高湿度の状態が繰り返される過酷な環境です。植物の多くは岩の割れ目などに生えています。岩などの表面には、黄~褐色のほぼ円形をした多くの地衣類を見ることができます。
・高山帯に生育するキリマンジャロ固有の植物
ジャイアント・セネシオは直立した茎と厚いコルク状の樹皮をもち、枯れた葉を茎の周囲にマントのように密に積み重ねることで、高い防寒性をもっています。
ジャイアント・ロベリアも直立した茎をもっており、弾力性のある薄い鱗状の樹皮で覆われています。両者とも茎の内部に空洞があり、下から1/3程度が水で満たされています。これは水が凍ることで発生する潜熱により、上部の空間が暖められるというメカニズムです。
バランコハット周辺は広大な谷となっており、そこでは両種の広範囲にわたる群落が形成されています。
4.寒冷帯(標高4,000-5,200m)
標高4,100m付近から寒冷帯となり、色彩に乏しい岩砂漠のような光景が続きます。ここでは強風、乾燥、直射日光や昼夜の激しい気温差に晒されるなどの過酷な環境となります。そのため、植物は背丈が5~10cm程度、全体が微細な毛に覆われ、小型で多肉的な葉をもっていることがほとんどです。また、多くは岩の割れ目などに複数の個体が集合して団子状になっています。
5. 氷雪帯(標高5,200-5,895m)
氷河が出現する辺りから植生はほとんど見られなくなり、岩の割れ目や表面上などに地衣類などが極わずかに生育するのみとなります。氷河の末端より上では、植生はまったく確認できません。
おまけ(絶対に触れてはいけない植物)
タンザニアの道端でこんな植物を見たことはないだろうか・・?
白と紫の花、おしろいを塗したかのような葉、紙風船のように膨らんだ実が特徴のこの植物・・。
その正体は「カロトロピス・プロケラ」というガガイモ科の植物で、中東ではよく見られるそうです。
全体に毒があり、枝を折ると乳液状のベトベトした白い樹液がにじみ出てきます。
恐ろしいのは、この成分が目に入れば失明する危険があるということ。
中東地域の眼科でも当植物による被害が報告されており、要注意植物として注目されているとのこと。
因みに、枝や葉に触れただけでも炎症を起こす可能性もあるそうなのですが、手洗いをしっかりすれば問題はないとのことです。
触らぬ神に祟りなし!
現地で見かけたら気を付けましょう!面白そうな実に惑わされないように!
まとめ
キリマンジャロの植物は厳しい環境から自身を保護する形態をもち、高山特有の過酷な環境に適応しています。近年の温暖化などの影響によりキリマンジャロ氷河は確実に減少しており、2050年前後には消滅してしまうと危惧されています。高山の植生は些細な環境の変化でも大きな影響を受け、一部の高山植物はキリマンジャロから絶滅してしまう可能性も考えられます。
キリマンジャロの「キリマ」はヒスワリ語で「山」、「ンジャロ」は「白さ」であり、「白く輝く山」を意味しています。周辺の民族は、キリマンジャロを「ヌガイエ・ヌガイ(神の家)」として崇めてきました。そのような信仰の対象となっていた山が、近い将来「輝かない山」へとなってしまうそうです。氷河の消滅は単なる自然環境の変化だけにとどまらず、民族の信仰心までにも波紋を広げていくことになるのかも知れません。
キリマンジャロの植生と環境の関係を知ることは、地球規模での気候・環境変動、植物種の盛衰と遷移の過程、人間の活動が地球環境や動植物に及ぼす影響などを解明するうえで、大きな意義をもっているといえるのではないでしょうか。
記事作成:キリマンジャロスタディツアーリーダー 金原 守人
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イベントまで残り12日となりました!
二月から始まったメンバーブログ!
今回は、もりとさんがキリマンジャロについて書いてくれました!
これであなたもタンザニアの植物博士!